11月中旬に、朝日カルチャーセンター新宿で開催された国立病院機構・刀根山病院院長の佐古田三郎先生の公開講座「腸と脳を元気にする食事」を聴講してきました。
先生の著書は読ませていただいておりまして、その前から著書の中にも出てくる「マイクロRNA」についてとても興味を持っていたので、その話が聴けると楽しみにして行ってきました。
私は父の癌をとおして、ずっと治療法について学んできました。治療法というよりも「治る」ということはどういうことだろうか、というのを考えてきたという方が正しいかもしれません。癌とはどういう病気でどうして治せる病気ではないのだろうか、ということをずっと考えていました。
ひとつには生活習慣病要因でもあり、ひとつには遺伝子要因ともいわれていたり、それにしてもどうして転移したり再発したりするのだろうか、と素人なりにずっと疑問をもっていました。
佐古田先生はもともとは神経内科の先生ですが、全国からパーキンソン病の患者さんや癌患者さん、アレルギー患者さんなどたくさんの患者さんがみえられるほど、様々な病気を診ているそうです。
その中で、腸内細菌に注目し、たべもの、睡眠、生活環境などを軸とした薬を使わない治療法をアプローチしているそうです。
先生曰く、パーキンソン病も癌もそしてアレルギーも腸と細菌が大きく関係していて、ひとつの病気はあらゆる複数の原因が複雑にからまってなっているという見解があり、またそれは1対1で的を絞って治療する西洋医学の薬を使うのではなく、食事パターン・睡眠などからアプローチした治療法がとても有効なんだとおっしゃていました。
私がとても知りたかったマイクロRNAは、「情報をもった遺伝子」のようなもので(←ここは質問したかった・・)第8の栄養素ともいわれており、そのひとつひとつに様々な種類のマイクロRNAがあるというもの。それが人の体内に入って、ある作用を起こしたとき、病気を治したりあるいは症状を和らげたり、といったまだわからない未知の研究がものすごくたくさんされているんだとか。
その遺伝子が持つ情報とは何かというと、植物が厳しい環境の中(例えば寒暖の変化や、栄養の不足、陽射しの有無など)で生き抜いたきた力だったり、外敵(例えば細菌、カビ、ウイルス、昆虫など)と戦ってきた力、つまり植物は様々なストレスを代謝物質を活用して抗菌システムを作り上げたのですね。
私たちが植物を体内に取り込むということは、その栄養素だけでない「情報」を取り込んでいると考えたら、私たちの身体は多大なる植物のチカラの恩恵に預かっているのでしょう。植物のストレスは私たちの免疫として働いてくれるということ「植物から人へ」働くということがだんだんわかってきました。
とても興味深かったのは例えば、トマト。夏のトマトと冬のトマトではポリフェノールの発現が違うんだとか。。
夏の暑い陽射しをストレスと考えれば、自然の太陽の下で無農薬あるいは無肥料で作られたトマトの方がより身体に優れているということです。逆に一年中食せるようにと、温かい温室でやさしくやさしくストレスなく育つ野菜は、ほとんど作用のないたべものになるということが少しずつ分かってきたとのことです。
だからこそ野菜は旬のものを摂るということは理にかなっていると考えらえます。
植物って本当に素晴らしいですね!
佐古田先生のこの本はとてもおすすめです。
葉の園のBOOK棚においておきますのでいつでもお読みください。
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